花弁の行方

100文字の花弁

 ずっと、会いたかったんだ。
 惜しみなく開かれた笑顔を目の当たりにした今、自分こそこの一幕を求めていたのだと、心の底から揺さぶられるほど思い知る。
 紅い薔薇の花弁が、ほろり、ほろりと散っていった。